点眼保存剤と眼表面
2019年4月19日に千寿製薬株式会社の方を講師として、点眼保存剤と眼表面について勉強会を行ったので報告します。
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保存剤とオキュラーサーフェス
・オキュラーサーフェスとは:目の表面をおおう角膜上皮、結膜上皮、涙液などの眼の表面を構成する組織です。
・保存剤は色々な点眼剤に使用されています。繰り返し使用する点眼剤にとって必要な添加物である一方で、保存剤による角膜上皮障害やアレルギーなどが懸念されています。
点眼剤に含まれる添加物について
製剤に含まれる有効成分以外の物質で、品質の安定化、使用性の向上など色々な目的で用いられています。
製品の投与量において薬理作用を示さず、無害でなければならない。また有効成分の治療効果を妨げるものであってはならない。
保存剤について
使用中の二次汚染を防ぐために添加される。
角膜上皮障害を引き起こす要因
ベンザルコニユム濃度が高い、点眼回数本数が多く、点眼期間が長い場合。ドライアイや角膜上皮が脆弱な場合などの条件が重なり、角膜上皮障害につながる。
各製薬会社による工夫
・保存剤フリー:
・ユニットドーズ製剤:使い切りの点眼剤)
・フィルター内蔵製剤:ノズル部分に特殊なフィルターを組み込んだ構造であり、保存剤を含まず反復点眼が可能
・保存剤の工夫:ベンザルコニュウム以外の保存剤・濃度の低減。
・ベンザルコニュウムの濃度を低減:角膜上皮障害は点眼剤に含まれるベンザルコニュウムの濃度が高いほど引き起こされやすい事もあるため、濃度を引き下げる努力がなされている。
・ベンザルコニュウム以外を含有:ホウ酸と他の添加物を併用。
・クロルヘキシジングルコン酸塩。
・亜塩素酸ナトリウムなど。
緑内障など長期にわたり点眼治療が必要な患者さんにとって少しでもストレスが軽減できる事はとても良い事です。安心して使用できる点眼薬を今後もアドバイスできるようにこの勉強会を生かしていきたいと思います。 (記:看護師 吉井)
久喜かわしま眼科(埼玉県久喜市:アリオ鷲宮西隣り&ケーズデンキ鷲宮店隣・2018年1月31日開院。久喜市、鷲宮、菖蒲、栗橋をはじめ、幸手市、加須市、宮代町、杉戸町、白岡市などからもアクセス便利です。)
○主な診療内容:眼科一般診療、日帰り白内障手術、日帰り網膜硝子体手術、日帰り眼瞼手術、緑内障治療、硝子体内注射、レーザー治療 など