アジマイシン点眼液1%(千寿製薬)勉強会
こんにちは。2019年9月2日に、9月11日発売の新薬「アジマイシン点眼液1%」についての勉強会を行いましたので報告します。
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近年、眼科領域において起因菌の各種抗菌薬に対する耐性化に警鐘が鳴らされていますが、抗菌点眼剤は内服薬や注射剤と比較して系統の選択肢が限られています。
そこで新たな抗菌点眼薬剤として、9月11日に15員環マクロライド系抗生物質「アジマイシン点眼液1%」が発売されることになりました。
特性
- 本剤は日本で唯一のマクロライド系抗菌点眼剤であり、既承認薬と比較して少ない点眼回数で治療が可能となることで、患者様の治療向上が期待できます。
- 添加剤として、ポリカルボフェィルが配合されたDDS製剤であり、結膜・角膜・眼瞼への移行性及び滞留性が良好であることが認められています。
- 眼感染症の原因となる ブドウ球菌属、肺炎球菌、コリネバクテリウム属、インフルエンザ菌、アクネ菌に対して抗菌作用を示します。
- 細菌性結膜炎・眼瞼炎・麦粒腫・涙嚢炎 :これらの症状に適応されます。
用法及び用量
結膜炎:成人及び7歳以上の小児
1回1滴1日2回2日間、その後1日1回5日間点眼
眼瞼炎・麦粒腫・涙嚢炎:成人
1回1滴1日2回2日間、その後1日1回12日間点眼
副作用として
角膜障害、アナフィラキシー、眼刺激、目掻痒感、眼痛、充血などがあげられます。
性質・適用上注意
やや粘調性の性質のため、使用時はキャップをしたまま点眼容器を下に向け、数回降ってから点眼をしてください。開封後は、室温保存とします。
(記:看護師:野口)
※追加 アジスロマイシン水和物点眼剤(販売名:アジマイシン点眼液1%)は眼科の新規抗生剤として待望の点眼薬です。とくに眼瞼炎に対する切れ味がよい印象があります。回数が少なくてすむのもよい点と思われます。ただし、眼刺激性があることや粘性が高く点眼のしにくさや点眼後しばらくぼやけることなどがあり、また、点眼期間が、結膜炎については7日間、眼瞼炎、麦粒腫及び涙嚢炎については14日間とされています。今回の承認に伴い、厚生労働省医薬・生活衛生局から、「アジスロマイシン水和物点眼剤の使用に当たっての留意事項について」の通知が発出されました。近年、不適正な抗菌薬の使用による薬剤耐性菌及びそれに伴う感染症の増加が国際的に問題となっており、抗菌薬のより一層の適正使用が求められています。当院におきましても、本剤の投与に当たっては、耐性菌の発現等を防ぐため、患者様が用法及び用量を遵守できるよう、適切に対応してまいります。(追加コメント:川島素子)
久喜かわしま眼科(埼玉県久喜市:アリオ鷲宮西隣り&ケーズデンキ鷲宮店隣・2018年1月31日開院。久喜市、鷲宮、菖蒲、栗橋をはじめ、幸手市、加須市、宮代町、杉戸町、白岡市などからもアクセス便利です。)
○主な診療内容:眼科一般診療、日帰り白内障手術、日帰り網膜硝子体手術、日帰り眼瞼手術、緑内障治療、硝子体内注射、レーザー治療 など